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2019.04.22視察報告(国内)

2018年「デイサービスねんりん・きくりん、特別養護老人ホームつまごめ荘」視察報告(熊本県立大学 准教授 西森利樹)

1.デイサービスねんりん・デイサービスきくりん
菊池グランドホテルの敷地内に併設された通所介護(デイサービス)であり、経営主体も同様である。

デイサービスねんりん            デイサービスきくりん
                http://www.kikuchi-grandhotel.jp/kikurin/
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利用者は隣接するホテルの温泉と同じ温泉に入浴することができ、建物の外側には足湯も設けられていた。
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提供する食事は、ホテルの厨房において調理される。ただし、ホテルの宿泊客と同じ食事ではなく、デイサービスの調理担当者が別途利用者用の食事を調理している。利用者の送迎は、職員が手分けして行っているとのことであった。
室内には、通所予定の利用者の名札が置かれた席が用意されており、利用者のなかには、通所の日を楽しみにされている方や、当日はお洒落をして通所されていらっしゃっている女性などもいらした。女性の利用者間では、手芸などの手作りの作品を交換しあったりもしている様子であった。
なぜホテルが高齢者施設を運営するのかについては、地域の高齢者に温泉やホテルの食事を楽しんでもらいたいとの想いのほか、ホテルは時期により宿泊客数等に変動があるのに対し、デイサービスであれば、年間を通じて一定数の利用者を確保できる点が挙げられた。

2.つまごめ荘
熊本県菊池市今58番地
菊池市が運営主体である。今後、民営化される方向で検討が進められている。
昭和50年に開設され、平成20年からは、ユニット型特養(一部従来型)として新たにスタートし、ユニットケアに取り組んでいる。

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入居者の条件は、原則65歳以上で要介護度3以上であることであり、入居待機者数は約130名とのことである。また、医療的依存度の高い入居者も増加している。スタッフは総数97名(正職員51名、嘱託・臨時職員46名)である。離職率は必ずしも高くないとのことであった。
入居者の高年齢化も進んでおり、100歳以上が4名、90歳以上が約50%である。終末期の利用者は、施設で看取りをする形をとっている。実際に亡くなった方もおり、夜間施設に来ることができる医師が少ないこともあり、病院に行って死亡確認となったこともあった。また、成年後見人等が選任されている利用者は数名おり、成年後見人等の訪問頻度は各成年後見人等により異なるとのことであった。

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居室入り口には、花が飾られている場所もあり、また、共用施設の入り口にはイラスト等を用いて視認性を高める工夫がなされている様子が看取できた。
また、共用スペースの一角には、使わなくなったバス停の看板が置かれていた。利用者のなかには、懐かしさから定期的にこの場所を訪れる方もいるとのことであった。
食堂では自然光を多く取り入れるような工夫もなされており、生活の場を実現するための配慮がなされていることが窺われた。

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