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労働・社会参加

2016年

論文 「特集:これからの高齢者雇用」連合総研レポートDIO313号(2016)

労働組合員向けの雑誌であり、高齢者雇用に関わる法制度や政策の展開過程や課題を分かりやすく論じている。駒村論文は、大きなテーマを対象としており、年齢を基準とする法政策を考察する際に参考となろう。

収録論文:駒村康平「長寿社会において何歳からが高齢者か?」4頁、柳澤武「高年齢者雇用をめぐる法制度の現状と課題」8頁、濱口桂一郎「日本の雇用と年齢差別禁止政策」12頁

2015年

論文 朴孝淑「日韓における高年齢者雇用政策と定年制をめぐる不利益変更問題について」ソフトロー研究25号(2015)79頁

年齢にもとづく雇用管理が根強い日本と韓国の高年齢者雇用政策を比較し、法律上の争点や政策課題を指摘する。これまでの研究を丁寧に拾い上げており、注が充実しているため、文献リサーチの素材としても活用できる。

2014年

論文 「高年齢者雇用の課題と方向性」日本労働法学会誌124号(2014)19頁

労働法と人事労務管理の研究者による、高年齢者雇用をめぐる課題についてのシンポジウム。論者によって現行政策の評価や今後の展望が異なる一方で、明らかなステレオタイプに基づく年齢差別については規制すべきであるとの共通認識も示された。

収録論文:水町勇一郎「シンポジウムの趣旨と総括」19頁、原昌登「高年齢者雇用に関する日本法の解釈をめぐる問題」25頁、柳澤武「高年齢者雇用政策」35頁、櫻庭涼子「高年齢者雇用をめぐる法政策」46頁、高木朋代「高年齢者雇用をめぐる人事上の課題と方向性」55頁


論文 「特集:最近の労働法改正はその目的を達成したか?」日本労働研究雑誌642号(2014)2頁

法律学者が法律の制定背景や目的を分析し、経済学者が法制定の効果を検証する一連の論考。森戸論文と近藤論文、佐々木・安井論文と柳澤論文が、それぞれペアとなっており、前者は高年法により60歳代前半の就業率を大幅に上昇させたことが明らかになり、後者は男性労働者についての高齢雇用者の上昇が雇用対策法の効果であった可能性を指摘している。

収録論文:森戸英幸「高年齢者雇用安定法─2004年改正の意味するもの」5頁、近藤絢子「雇用確保措置の義務化によって高齢者の雇用は増えたのか─高年齢者雇用安定法改正の政策評価」13頁、柳澤武「雇用対策法10条(年齢制限禁止規定)の意義と効果」23頁、佐々木勝=安井健悟「2007年改正雇用対策法の政策評価─経済学的アプローチ」31頁


論文 櫻庭涼子「年齢差別禁止と定年制 : EU法・英国法の展開を手がかりに」日本労働研究雑誌643号(2014)31頁

年齢差別禁止規制を導入したEU法と英国法について、10年間の動向を分析し、独自の多様な展開がみられることを明らかにした。定年制度にいかなる例外を認めるかについて各国の対応に違いがあることや、導入された禁止規制をめぐる判例の動向などは、これからの日本の法政策を考える上でも参考になろう。

2013年

論文 森戸英幸=清家篤=水町勇一郎「鼎談 高年齢者雇用安定法改正の評価と高年齢者雇用のこれから」ジュリスト1454号(2013)12頁

論文 山下昇「高年齢者の継続雇用制度をめぐる法的課題」ジュリスト1454号(2013)37頁

論文 柳澤武「新しい継続雇用制度」労働法律旬報1788号(2013)6頁

2012年

論文 原昌登「高年法に基づく継続雇用制度をめぐる判例の整理とその課題」季刊労働法236号(2012)113頁

2011年

論文 山川和義「年齢差別禁止の特徴と規制の方向性」日本労働法学会誌117号(2011)49頁

学会の大シンポジウム(雇用平等法の新たな展開)の1つとして、年齢差別の禁止を考察した論文。諸外国の動向をふまえ、年齢差別禁止規定のあり方を検討の上、日本の雇用慣行の下で年齢差別を禁止した際の影響についても言及している。

2010年

図書 玄幡真美『日本の雇用年齢差別』(勁草書房、2010)

2009年

論文 「高年齢者雇用安定法をめぐる法的問題」日本労働法学会誌114号(2009)20頁

高年齢者雇用安定法をめぐる条文解釈や判例法理などを検討する論考集。山川論文は、高年法の私法的効力を否定する判例法理に対して、複数の論拠にもとづき批判を行っている。山下論文は、継続雇用制度が導入される際に、いかなる制度を導入することが求められるかを、法的な観点から検討する。

収録論文:根本到「シンポジウムの趣旨と総括」3頁、山川和義「高年齢者雇用安定法9条1項違反の私法上の効果」8頁、山下昇「継続雇用制度とその対象となる高年齢者に係る基準をめぐる法的問題」20頁

2008年

図書 櫻庭涼子『年齢差別禁止の法理』(信山社、2008)

雇用における年齢差別は、アメリカやEU加盟国では禁止されている。本書は、アメリカやEUの立法の成立過程や解釈運用を辿ることにより、なぜ年齢差別は違法とされているのか、どのようなものが差別禁止の例外として許容されているのかを分析している。

(参考)山川和義による書評へのリンク

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